家族の介護負担が軽減されるデイサービスとデイケア、それぞれのメリット・デメリットをご紹介

高齢の家族の介護、毎日お疲れ様です。食事の世話、入浴介助、排泄介助など、肉体的にも精神的にも負担が大きいですよね。

「少しでも自分の時間が欲しい」「介護疲れで限界を感じている」そんな悩みをお持ちのあなたへ。

この記事では、介護の負担を軽減してくれる強い味方、「デイサービス」と「デイケア」について、それぞれのメリット・デメリットや違い、選び方など詳しく解説していきます。

デイサービスとデイケアを賢く利用して、介護の負担を軽減し、ゆとりある生活を取り戻しましょう。

デイサービスとは?


デイサービスの送迎

デイサービスとは、日帰りで施設に通い、食事や入浴、レクリエーションなど様々なサービスを受けられる介護サービスです。
要介護認定を受けている方が利用対象で、自宅まで送迎してくれるサービスがあるのも大きな特徴です。

「デイサービス」を利用するメリット・デメリット


デイサービスの利用は、介護を必要とする高齢者本人だけでなく、介護する家族にとっても多くのメリットをもたらします。

デイサービスの利用|介護する人のメリット

1)介護負担の軽減
デイサービスを利用することで、介護者は日中の数時間、介護から解放されます。その時間を利用して、家事や自分の趣味、休息などにあてることができます。

例えば、普段なかなかできない自分のための買い物や美容院、友人とのランチ、映画鑑賞など、リフレッシュする時間を確保できます。
また、介護から離れることで、精神的な負担も軽減され、ゆとりを持って介護に取り組むことができるようになります。

2)精神的な負担の軽減
介護は肉体的な負担だけでなく、精神的な負担も大きいものです。常に高齢者の状態に気を配り、身の回りの世話をすることは、大きなストレスとなります。

デイサービスを利用することで、一時的にでも介護から離れることができ、精神的なリフレッシュにつながります。
また、デイサービスのスタッフに相談することで、介護に関する不安や悩みを共有し、精神的なサポートを受けることもできます。

3)介護技術の向上
デイサービスのスタッフは、介護のプロフェッショナルです。
介護の方法や介助の技術、高齢者とのコミュニケーション方法など、様々な知識やスキルを持っています。

介護者は、デイサービスのスタッフからアドバイスを受けたり、介護の様子を見学したりすることで、介護技術を向上させることができます。

4)社会とのつながり
介護者は、介護に専念するあまり、社会とのつながりが希薄になりがちです。
デイサービスを利用することで、他の介護者と交流する機会が得られます。
同じ悩みを持つ人たちと情報交換したり、悩みを相談したりすることで、孤立感を解消し、社会とのつながりを維持することができます。

5)緊急時の対応
デイサービスは、日中、高齢者の安全を見守る場所でもあります。
もしもの時にも、スタッフが適切に対応してくれるため、介護者は安心して外出したり、仕事に行ったりすることができます。

デイサービスの利用|介護される人のメリット

富塚パークタウンデイサービスセンターの様子

1)生活の活性化
デイサービスでは、レクリエーションや趣味活動、他の利用者との交流など、様々な活動に参加することができます。
これらの活動を通して、心身ともに刺激を受け、生活にハリと潤いが生まれます。

2)機能維持・向上
デイサービスでは、理学療法士などの専門スタッフによるリハビリテーションや機能訓練を受けることができます。
これらのプログラムを通して、身体機能の維持・向上を図り、日常生活動作の自立を目指します。

3)社会参加
デイサービスに通うことで、自宅に閉じこもりがちな高齢者も、社会とのつながりを維持することができます。
他の利用者やスタッフとコミュニケーションをとることで、孤独感を解消し、社会の一員としての役割を感じることができます。

4)孤独感の解消
高齢になると、社会とのつながりが希薄になり、孤独を感じやすくなります。
デイサービスでは、他の利用者と交流したり、スタッフと話をしたりすることで、孤独感を解消することができます。

また、グループ活動に参加することで、仲間意識や連帯感が生まれ、心の支えになります。

5)新たな趣味や楽しみの発見
デイサービスでは、様々なレクリエーションや趣味活動に参加することができます。
今まで経験したことのない活動に挑戦することで、新たな趣味や楽しみを発見する機会が得られます。

デイサービスのデメリット

1)費用
自己負担額は収入によって違いますが、基本的には1割負担です。
サービス内容や利用回数、事業所の特徴を生かした各種加算によって費用がかさむケースがあります。

2)送迎時間の制約
送迎の都合上、時間に限りがある場合があり、デイサービスは基本的に日帰りでのサービス提供となるため、利用時間は限りがあり希望する時間帯に利用できないケースもあります。

施設によって送迎時間が決まっているため、希望する時間帯に利用できない、あるいは送迎の都合で自宅での朝の準備や夜の時間に余裕がなくなる場合もあります。

3)施設との相性
施設によって雰囲気や提供されるサービス内容、スタッフの対応などが異なります。

施設の雰囲気やスタッフとの相性が合わない場合もあります。
利用者ご本人やご家族の希望に合わない施設を選んでしまうと、満足度が低くなってしまう可能性があります。

施設の雰囲気やスタッフとの相性が合うかどうかは、見学や体験利用を通して事前に確認することが大切です。

4)体調不良時の利用
体調が悪い時は利用できない場合があります。
感染症などの病気の場合、他者への感染リスクを考慮して利用を控える必要があります。
また、発熱や下痢などの体調不良時にも利用できないケースがあります。

急な体調変化などで利用できない場合の対応策を事前に考えておく必要があります。

5)個別対応の難しさ
デイサービスは複数の方が同時に利用するため、個別の要望にすべて対応することが難しい場合があります。
例えば、特定の食事制限や特別なケアが必要な場合、事前に施設とよく相談し、対応可能かどうかを確認しておく必要があります。

デイサービスの利用や利用継続が難しい事例

次のような場合はデイサービスを利用するのが難しい場合があります。

●感染症など、他者への感染リスクがある場合
●医療行為が必要な場合
●自宅から施設までの移動が困難な場合

施設までの送迎はありますが、自宅と施設の往復は体力的な負担になる可能性があります。
特に、車椅子利用の方や移動に介助が必要な方は、送迎時の負担を考慮する必要があります。

「デイケア」を利用するメリット・デメリット


デイケアは、医療機関に併設された施設で、日帰りでリハビリテーションや医療的なケアを受けられるサービスです。
デイサービスと同様に、介護する家族、そして介護を受ける高齢者本人双方に多くのメリットをもたらします。

デイケアの利用|介護する人のメリット

1)介護負担の軽減
デイケアを利用することで、介護者は日中の一定時間、介護から解放されます。
その時間を活用して、家事や仕事、趣味、休息など、自分の時間を持つことができます。

デイケアは、医療機関が運営しているため、安心して高齢者を預けることができ、介護による肉体的・精神的な負担を軽減することができます。

2)精神的な負担の軽減
デイケアは、医師や看護師、リハビリ専門職など、医療の専門家が常駐しているため、高齢者の健康状態や体調変化に迅速に対応することができます。

そのため、介護者は、高齢者の健康面での不安を軽減し、安心して介護に臨むことができます。
また、専門スタッフに相談することで、介護に関する悩みや不安を共有し、精神的なサポートを受けることもできます。

3)専門的なケア
デイケアでは、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、様々な専門スタッフによる医療的なケアやリハビリテーションを受けることができます。

自宅では難しい専門的なケアを受けることができるため、高齢者の状態に合わせた適切なケアを提供することができます。

4)病気の悪化防止
デイケアでは、定期的に健康チェックやバイタルチェックが行われ、健康状態の変化を早期に発見することができます。
また、医師や看護師による健康管理や服薬管理が行われるため、病気の悪化を予防することができます。

5)在宅医療との連携
デイケアは、医療機関に併設されているため、在宅医療と連携してサービスを提供することができます。
そのため、在宅医との情報共有がスムーズに行われ、より質の高い医療サービスを受けることができます。

デイケアの利用|介護される人のメリット

1)機能回復・維持
デイケアでは、理学療法士、作業療法士などの専門スタッフによるリハビリテーションを受けることができます。
個別のリハビリテーション計画に基づき、身体機能の回復・維持を目指します。

また、日常生活動作の訓練や、転倒予防などの指導を受けることもできます。

2)病気の悪化防止

デイケアでは、医師や看護師による健康管理や服薬管理が行われるため、病気の悪化を予防することができます。
また、定期的な健康チェックやバイタルチェックにより、体調変化を早期に発見し、適切な対応をすることができます。

3)専門家によるアドバイス
デイケアでは、医師や看護師、リハビリ専門職など、様々な専門スタッフから、健康管理や病気に関するアドバイスを受けることができます。
また、栄養士による栄養指導や、介護福祉士による生活相談なども受けることができます。

4)社会参加
デイケアに通うことで、自宅に閉じこもりがちな高齢者も、社会とのつながりを維持することができます。
他の利用者やスタッフとコミュニケーションをとることで、孤独感を解消し、社会の一員としての役割を感じることができます。

5)生活リズムの維持
デイケアに通うことで、規則正しい生活リズムを維持することができます。
また、デイケアでの活動を通して、心身ともに活性化し、生活の質を高めることができます。

デイケアのデメリット

1)利用対象者について
要介護認定を受けている方の中でも、比較的要介護度の低い方が対象となります。

2)費用面
デイサービスと比べて、自己負担額が高くなる場合があります。

3)レクリエーションの内容
デイサービスに比べて、レクリエーションの種類が少ない場合があります。

デイサービスとデイケア、どちらを利用したらいい?


「デイサービス」利用をおすすめしたいのはこんなケース

デイサービスの利用は、介護する人、介護される人の双方にとって多くのメリットがあります。
デイサービスを賢く利用することで、介護の負担を軽減し、高齢者の生活の質を高めることができます。

  • 要介護度が比較的高い方
  • 自宅での生活を続けたい方
  • レクリエーションや交流を通して、生活の活性化を図りたい方
  • 入浴や食事などの日常生活の支援を受けたい方

「デイケア」利用をおすすめしたいのはこんなケース

デイケアの利用は、介護する家族、そして介護を受ける高齢者本人双方にとって、多くのメリットをもたらします。
デイケアを賢く利用することで、介護の負担を軽減し、高齢者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に繋げることができます。

  • 要介護度が比較的低い方
  • 機能回復・維持のためのリハビリテーションを受けたい方
  • 病気の悪化防止や健康管理に力を入れている方
  • 医療機関のサポートを受けながら、在宅生活を続けたい方

デイサービスとデイケア、料金の違いは?

デイサービスとデイケアは、どちらも介護保険が適用されます。
ただし、自己負担額は利用するサービス内容や施設によって異なります。

一般的に、デイケアの方がリハビリテーションに特化しているため、自己負担額が高くなる傾向があります。
詳しくは、各施設にお問い合わせください。

まとめ|デイサービスとデイケア、上手に選ぶポイント


デイサービスとデイケア、どちらも介護の負担軽減や高齢者の生活の質向上に役立つサービスですが、それぞれ特徴が異なります。

どちらのサービスを利用するのが最適なのかは、利用者の状態やニーズ、そして家族の状況によって異なります。

下記の7つのポイントを参考に、ご本人やご家族の状況に合わせて、デイサービスとデイケアのどちらが適しているか、あるいは両方のサービスを併用する方が良いのかなど、じっくり検討しましょう。

1.目的
病気や怪我の後遺症などで低下した身体機能の回復、あるいは現状の身体機能の維持を最優先とするならば「デイケア」、レクリエーションや他の利用者との交流を通して、高齢者の心身の活性化、社会参加を促したい、介護負担の軽減を重視するなら「デイサービス」がおすすめです。

2.要介護度
デイケアは、比較的要介護度の低い方が対象となる場合が多いです。
これは、デイケアがリハビリテーションに重点を置いているため、ある程度の自立した行動が求められるからです。
要介護度が高い場合でも利用できるデイケア施設もありますが、事前に施設に問い合わせて確認することをおすすめします。

一方、デイサービスは、要介護度が高い方でも利用することができます。
食事や入浴、排泄などの介助が必要な場合でも、デイサービスであれば安心して利用することができます。

3.費用
デイサービスとデイケアは、どちらも介護保険が適用されますが、自己負担額はサービス内容や利用回数、施設によって異なります。

一般的に、リハビリテーションに特化したデイケアの方が、自己負担額が高くなる傾向があります。
施設を選ぶ際には、それぞれの施設の料金体系をよく確認し、予算と照らし合わせて検討しましょう。

また、自治体によっては、独自の助成制度を設けている場合があります。
利用前に、市区町村の介護保険窓口に問い合わせて、利用できる助成制度がないか確認しておきましょう。

4.サービス内容
デイサービスとデイケアでは、提供されるサービス内容が異なります。
デイサービスでは、食事、入浴、排泄などの介助、レクリエーション、機能訓練などが提供されます。

一方、デイケアでは、リハビリテーションを中心としたサービスが提供されます。

施設によって、提供されるサービス内容は異なるため、事前に施設のパンフレットやホームページなどで確認したり、見学時に詳しく質問したりするなどして、希望するサービスが提供されているか確認しましょう。

5.施設の雰囲気
実際に施設に見学に行き、雰囲気を確認することをおすすめします。

施設の明るさ、清潔感、スタッフの対応、利用者の様子などを観察し、ご本人やご家族が過ごしやすいと感じる雰囲気の施設を選びましょう。

見学の際には、以下の点に注目すると良いでしょう。

□ 利用者の表情は明るいか
□ スタッフは利用者に笑顔で接しているか
□ 施設内は清潔で整理整頓されているか
□ レクリエーションや活動は活発に行われているか
□ 個別ケアの内容や頻度はどのくらいか

6.スタッフ
施設のスタッフの対応や人柄も、施設選びの重要なポイントです。
見学時や体験利用時に、スタッフと直接話をする機会を設け、以下の点を確認しましょう。

□ スタッフの対応は丁寧で親切か
□ 介護技術は高いか
□ 高齢者とのコミュニケーションはうまいか
□ ご本人やご家族の要望に耳を傾けてくれるか

7.アクセス
自宅からの距離や交通の便も、施設選びの際に考慮すべき点です。

あまりにも自宅から遠い施設を選んでしまうと、通うことが負担になってしまい、継続的な利用が難しくなる可能性があります。
また、送迎サービスの有無や、送迎範囲、送迎時間なども確認しておきましょう。

上記の7つのポイントを参考に、ご本人やご家族の状況に合わせて、デイサービスとデイケアのどちらが適しているか、あるいは両方のサービスを併用する方が良いのかなど、じっくり検討しましょう。

必要であれば、ケアマネージャーに相談してみるのも良いでしょう。
ケアマネージャーは、介護に関する専門家であり、ご本人やご家族の状況に合ったサービスの選択や利用方法について、アドバイスを提供してくれます。

最適なサービスを選択し、デイサービスやデイケアを有効活用することで、介護の負担を軽減し、高齢者がより充実した生活を送れるようサポートしていきましょう。

それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご家族の状況に合った施設を選びましょう。
ご家族が笑顔で過ごせるように、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。