高齢になり、日常生活に支援が必要になった時、家族だけで介護を続けるのは大変です。
そんな時に頼りになるのが、デイサービスとデイケア。
ご両親やご家族の介護についてお悩みの方の中には、「デイサービス」と「デイケア」という言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。
どちらも日帰りで施設に通い、介護やリハビリなどのサービスを受けられるものです。
しかし、デイサービスとデイケア、名前は似ていますが、提供されるサービス内容や利用目的が異なります。
どちらのサービスを利用すればいいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
この記事では、デイサービスとデイケアの違いを分かりやすく解説し、それぞれのサービスの特徴やメリット・デメリット、どちらがご家族に合っているのか、選ぶ際の上手な選び方ポイントなどをご紹介します。
デイサービスとデイケアはどちらがおすすめ?
デイサービスとデイケア、一体どちらを選ぶべきなのでしょうか?
それは、利用する方の状態や希望するサービス内容によって異なります。
デイサービスがおすすめなのは、食事や入浴など日常生活の介護が必要な人
デイサービスは、主に日常生活の介護を必要とする方を対象としています。
食事や入浴、排泄などの介助はもちろん、レクリエーションや趣味活動を通して、心身機能の維持・向上や社会的な孤立の防止を目指します。
デイサービスは、こんな方におススメです
例1)加齢により体力が低下し、一人での入浴が困難になった方
例2)家事を行うのが難しくなり、食事の準備や掃除などに支援が必要な方
例3)孤独を感じやすく、誰かと話したり、一緒に活動したりする機会が欲しい方
上記に当てはまる方などがデイサービスの利用に適しています。
自宅で一人で過ごすことが多い方や、家族の介護に負担を感じているご家庭におすすめです。
デイケアがおすすめなのは、医療ケアや専門的なリハビリが必要な人
デイケアは、リハビリテーションを中心としたサービスを提供します。
理学療法士や作業療法士などの専門スタッフによる、機能訓練や日常生活動作訓練を通して、身体機能の回復や維持を目指します。
デイケアは、こんな方におススメです
例1)脳卒中や骨折などの後遺症で、麻痺や歩行困難などの症状がある方
例2)関節痛や筋肉の衰えにより、日常生活動作に支障が出ている方
例3)自宅でのリハビリだけでは十分ではなく、専門的な指導を受けたい方
上記に当てはまる方などがデイケアの利用に適しています。
脳卒中や骨折などにより、身体機能が低下した方や、認知症の症状が進行している方などが利用します。
デイサービスとデイケアを上手に選ぶ際のポイント5つ
デイサービスとデイケアのどちらを利用するか決まったら、次は具体的な施設選びです。
数ある施設の中から、利用する方に最適な施設を見つけるためには、以下の5つのポイントを参考にしましょう。
1)ケアマネジャーとよく相談する
まずは、担当のケアマネジャーに相談しましょう。
利用者の状態や希望、家族の状況などを総合的に判断し、最適な施設を提案してくれます。
ケアマネジャーは、様々な施設の情報に精通しており、ご家族の状況や利用者のニーズに合った施設を紹介してくれる頼もしい存在です。
2)実際に希望する施設を見学する
施設のパンフレットやホームページの情報だけでは、実際の雰囲気やサービス内容を把握するのは難しいです。
候補となる施設には必ず見学に行き、施設の雰囲気や、利用者の様子を実際に見てみましょう。しょう。
施設の設備や清潔さ、スタッフの対応、利用者の様子などを自分の目で確認することで、より具体的なイメージを持つことができます。
見学の際には、気になる点があれば積極的に質問することも大切です。
3)施設の職員とのコミュニケーション
施設の職員とのコミュニケーションも重要なポイントです。
職員の対応が親切丁寧かどうか、利用者一人ひとりに寄り添ったケアを提供しているかどうか、しっかりと見極めましょう。
また、職員との相性も大切です。
信頼関係を築けるかどうか、安心してサービスを任せられるかどうか、自分の感覚を大切にしましょう。
4)利用したいけれど、利用を拒否する本人への対応はどうしたらいいの?
高齢になると、新しい環境に馴染むことに抵抗を感じたり、施設の利用を拒否する方もいます。
「家にいたい」「人に迷惑をかけたくない」といった気持ちを抱いている場合もあります。
そのような場合は、無理強いするのではなく、まずは本人の気持ちを尊重することが大切です。
なぜ施設の利用を拒否するのか、その理由を丁寧に聞き取り、不安や心配を取り除くように努めましょう。
デイサービスやデイケアの体験利用を勧めてみるのも有効です。
実際に施設を利用してみることで、雰囲気やサービス内容を理解し、抵抗感が薄れることもあります。
また、家族や友人、ケアマネジャーなど、信頼できる人に施設の利用を勧めてもらうのも効果的です。
5)サービスの変更や併用を視野に入れる
利用を始めてみたものの、当初のイメージと違ったり、本人の状態が変化したりすることもあります。
そのような場合は、サービスの変更や併用も検討しましょう。
例えば、デイサービスを利用していた方が、リハビリの必要性が高くなった場合は、デイケアへの変更を検討することができます。
また、デイサービスとデイケアの両方のサービスを併用することも可能です。
デイケアとデイサービス、サービスの変更・移行や併用利用はできる
利用者の状態や希望に合わせて、デイサービスとデイケアのサービスを変更したり、移行したりすることが可能です。
デイサービス・デイケアは利用変更や移行は可能
例えば、最初はデイサービスを利用していたけれど、リハビリが必要になった場合は、デイケアに変更することができます。
逆に、デイケアを利用していたけれど、日常生活のサポートを中心としたサービスを受けたい場合は、デイサービスに変更することも可能です。
ただし、変更や移行の手続きが必要になりますので、まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。
ケアマネジャーが、必要な手続きや新しい施設探しなどをサポートしてくれます。
条件を満たせばデイサービスとデイケアの2つのサービスを併用可能
例えば、平日はデイケアでリハビリを行い、週末はデイサービスでレクリエーションを楽しむといった併用も可能です。
ただし、デイサービスとデイケアの併用には、介護保険の支給限度額を超えない範囲内であることなど、一定の条件があります。
併用を希望する場合は、ケアマネジャーに相談し、利用できるかどうかを確認しましょう。
デイサービスやデイケアで医療保険と介護保険は併用できる?
デイサービスやデイケアでは、基本的に介護保険が適用されます。
しかし、介護保険の要支援認定を受けていない方でも、医療保険が適用される場合もあります。
介護保険を利用しないなら要支援でも併用可
例えば、デイケアでリハビリを受ける際に、医師の指示のもとで行われる医療行為(例えば、医師の指示によるリハビリテーション、褥瘡の処置など)については、医療保険が適用されます。
また、介護保険の利用限度額を超えてサービスを利用する場合も、医療保険が適用されることがあります。
ただし、医療保険と介護保険の併用には、一定の条件があります。
詳しくは、施設のスタッフやケアマネジャーに確認しましょう。
まとめ|違いを理解して、利用する本人に適した施設を選ぼう
デイサービスとデイケアは、どちらも高齢者の生活を支える大切なサービスです。
どちらのサービスを利用するかは、利用者の状態や希望によって異なります。
この記事で紹介した内容を参考に、それぞれのサービスの特徴を理解し、利用する本人に適した施設を選びましょう。
施設選びに迷ったら、ケアマネジャーや施設の職員に相談してみるのも良いでしょう。
専門家のアドバイスを受けることで、より安心して施設を選ぶことができます。
デイサービスやデイケアを上手に活用することで、高齢者がより充実した生活を送れるように、そして、家族の介護負担を軽減できるように、ご家族にとって最善の選択をしてください。